
「お金の基本」これを抑えることで、お金とうまく付き合うことができます。
今回は、お金に対して「偏った」イメージをもたずに、
1.「社会生活に便利なツール」として上手に扱い付き合っていくことが大切であること
2.「投資」と「消費」と「浪費」の違い
について理解していただければOKです。
1.お金の基本
お金の3つの機能
お金は、現代社会において不可欠なものですが、3つの機能があります。
1)利便性:モノやサービスと交換する手段としての機能
「お金」と交換することで、必要とするモノやサービスを得ることができます。
2)公平性:物の価値を計る尺度としての機能
「お金」という基準を通じて、モノやサービスの価値を計ることができます。
3):価値の保存:保蔵ができる機能
「お金」が余った時は、貨幣として価値を維持していく(貯めておく)ことができます。
<解説>
物々交換の時代においては、例えば「魚を必要とする野菜を持っている人」と「野菜を必要とする魚を持っている人」がそれぞれの品々を交換することで物資が流通していましたが、現実的には、「自分が必要とする品物を必要分だけ持っている人を見つけることができるか」、「自己消費分と自分が必要な品物への交換分の品物を適正な量で確保できるか」「どうしても必要な場合には足元を見られて過剰に持っている品物を差し出す必要がでてくる」、「自分が持っている品物が余り交換できなかった時には、手元に残りいずれ腐ってしまう」等といったリスクを抱える不便な状況でしたが、石や貝殻に始まり、紙幣や硬貨といった「お金」を仲介させることにより、「お金」の3つの機能(「利便性」「公平性」「価値の保存」)の利点を手にすることができるようになりました。
お金に対するイメージ
大昔の先人たちが日々の生活を営むなかで、利便性や公平性、価値の保存といった便利な機能を持つ「お金」という「ツール」を発明・活用するようになりましたが、人によって「お金」対するイメージは様々です。
「お金」に対する考え方1つで、宝くじや競馬などで思いがけず大金を手にしたときに、我を失って人生を狂わせてしまう人が出てくるケースが後を絶ちません。それは、「お金」の正しい扱い方、付き合い方などの、大切な知識を教えられる機会が人生においてほとんど皆無であることが原因と言えます。
自動車などの乗り物も扱い方次第では非常に危険な凶器となり得るものですが、正しく運転する方法を自動車教習所でしっかりと学び、正しく使うことでとても便利で効率な生活を送ることができます。
お金をネガティブにイメージする思考
日本では「お金は不浄なもの」として扱われる傾向があり、「運用で稼いだ100万円よりも、労働で汗を流して稼いだ100万円の方が尊い」ものとされたり、一代で財を成した人を「成金」と軽蔑したりするような文化がありますが、欧米ではむしろ、夢を実現させたヒーローとして称賛される考え方を持っています。
お金は、あくまでもモノやサービスを計る基準としてのツール
「お金」は人類が生み出した、モノやサービスを交換する「ツール」として、モノやサービスの価値を計る「基準」として存在しており、お金に対して「きれい」・「汚い」という考え方を持ち込まずに、社会生活に便利な「ツール」として上手に扱い、付き合っていくことが大切です。
少なくとも、お金に対する偏見を持たずにニュートラルに向き合うことが、「お金」に対する正しい考え方・付き合い方を身につける前提条件と言えるでしょう。
「数値」としてのお金
そもそも、「お金」とは何かと言えば、石や貝殻から始まり、紙幣や硬貨の時代を経て、キャッシュレスの時代を迎えた現代においては、商品やサービスの価値を表す「数値」に変貌しつつあります。まだまだ、日常生活においては、現物の紙幣や硬貨が重要な役割を担っているのは事実ですが、2022年からは、ゆうちょ銀行を筆頭にして各金融機関のATMでの硬貨の入出金が有料化されるようになり、今後ますますキャッシュレス化が進み、お金は電子的な「数値」で表現・利用される機会が増えるのは時代の趨勢と言えます。まさに、現代に生きる私たちは「お金」の歴史的な変化に立ち会っている状態にあると言えます。
翻ってみると、数十年も前から、毎月の給料の受け取り方法は「給与袋で手渡し」ではなく、個人ごとに指定した金融機関の口座に給料日に入金されるようになっています。また、クレジットカードや、SUICAをはじめとした交通系電子マネー、PayPayなどのQRコード決済などについて、現物の紙幣や硬貨の利用を補完するものとして広く浸透してきています。そういう意味では、今後ますます、数値としての「お金」のコントロール方法を学び・適切に活用していくことが非常に重要であると言えます。
お金は「信用」
「お金」とは、その人の「信用」の大きさを表すことがあります。
「信用」は、数値としての「お金」によって可視化することができます。半世紀年以上前に誕生したクレジットカードの「クレジット」とは、日本語に直訳すれば「信用」であり、クレジットカードの利用限度額は個人ごとの信用度(各種ローンの残高、返済履歴など)に応じて決定されます。自分自身の信用度が高まるのに比例して、取り扱うことができるお金の量も増えることになり、結果として人生の自由度も高まります。
ビジネスパーソンにとっての給与
かつての高度経済成長期においては、国全体の経済成長とともに国民全体の収入が上がっていく状況にありましたが、現代においては、多くの会社で終身雇用や年功序列的な給与体系から、個人ごとの成果に応じた個別評価に基づく賃金改定制度にシフトしています。個人ごとの成果に応じた個別評価は、まさに各個人の信用度そのものであり、「給与は信用を数値化したもの」であるとも言えます。
ビジネスパーソンとして給与を得ている人は、会社員という仕事のプロであり、自らの仕事スキル・ノウハウを生かして、会社の業績アップに貢献する代わりに給料という形で収入を得ています。
この時大切なことは、「頑張っている」ことではなく、「結果を出す」という思考であり、結果を出せば給与収入も結果に応じて上昇することになります。
「結果を出す」ことによって、「今後も継続的に結果を残してくれるであろう」という信用を築き上げ、給与収入をあげることができます。つまり、信用を築き上げることが収入アップの本質であり、さらに、築き上げた信用は、人生において様々な場面においても通用する万能なパスポートにもなり得ます。
2つの信用 =経済的信用と人間的信用=
一般的に「信用経済」と称する場合には、経済的信用を差し、狭義的には「お金を返済する力」を意味し、資産や収入が多いと経済的信用は高まります。
一方、人間的信用は、「約束を守る」「期日を守る」「有言実行である」などといったことで育まれます。経営者であれば、「結果を残す」ことも重要な要素と言えます。
「投資」と「消費」と「浪費」の違い
お金の使い方について、「投資」と「消費」と「浪費」の3つに分類して意識することで、より有効なお金の使い方ができるようになります。
お金を支払って得たものの「価値」を基準にして、3つに分類します。
「投資」: お金を支払って得たものが、支払った額以上の価値がある
「消費」: お金を支払って得たものが、支払った額と同じ価値がある
「浪費」: お金を支払って得たものが、支払った額以下の価値しかない
<解説>
ある人によっては「浪費」であっても、別のとある人にとっては「投資」となることは十分にあり得ます。例えば、同じタクシーに乗車するとしても、「待合せ時間が差し迫っていて急いでいる」場合には、十分に価値のある「投資」といえますが、「臨時収入が入ったから、電車の代わりに、とりあえずタクシーで移動する」場合には、「消費」もしくは「浪費」と言えるかもしれません。
「浪費」<「消費」<「投資」の意識を持つことで、無駄遣いを減らすことにつながります。これは、お金に限らず、時間についても同じことが言えます。
お金の基本的な「計算式」からみる、「お金の生活習慣病」の改善方法
基本的なお金の計算式
お金の貯め方・使い方などについて考えるうえで、以下の基本的なお金の計算式がよく使われます。
「収入(資産・所得)」―「支出(生活費)」=「貯蓄」
「貯蓄を増やす」には、
「① 収入(資産・所得)を増やす」もしくは、
「② 支出(生活費)を減らす」ことが必要です。
お金の生活習慣病
さて、「お金の生活習慣病」とは、この収入と支出の関係が、「収入<支出」の状態になっていて、貯蓄がプラスになるどころか、マイナスになっている状態のことを比喩的に表現しています。

お金の生活習慣病とは、
「 収入(資産・所得)< 支出(生活費)」の状態で貯蓄がマイナスになっていく状態
この「お金の生活習慣病」は、「収入が増える」ことで改善・解消されるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもそうならない場合があります。(というか、そうならない場合がそれなりに多いです。)
以前に、「毎月のお給料が多いからと言っても、必ずしもお金持ちになれるわけではない」ということをお伝えしましたが、これはまさに「お金の生活習慣病」が原因なのです。
具体的には、「収入が増えるとその分だけ支出も増える」場合が多く、こうなると貯蓄のプラスを大きくすることができませんので、「お金の生活習慣病」になっている場合には、改善・解消が難しいといえます。
ひどい場合には、「収入の増加分以上に支出が増えてしまう」ケースもあります。こうなると、「お金の生活習慣病」はより悪化することになります。
お金の生活習慣病の改善・解消方法
それでは、「お金の生活習慣病」を改善・解消させる方法は何かを考えてみましょう。
原因は、収入と支出の関係が「収入<支出」の状態ですので、「支出を抑える」ことが第一の対策であり、「収入>支出」の状態にすることが第二の対策となります。
「支出を抑える」 ⇒ 「浪費をしない・減らす」
この時に思い出していただきたいのが、商品・サービスの「価値」に着目して分類した「投資・消費・浪費」の考え方です。「支出を抑える」方法として、「節約」というキーワードがすぐに浮かんでくると思いますが、より大切なことは商品・サービスの「価値」に着目して、「それは必要かどうか?」という視点で「浪費」を減らすことです。「投資」や「消費」に該当する支出を「節約」名目で減らすことは、日々の生活の潤い・豊かさを失う可能性を高めることになります。それは、「我慢する節約」を意味しており、長続きさせることは困難です。
つまり、「節約」ではなく、「浪費をしない・減らす」ことに意識を向けることが、「お金の生活習慣病」の改善・解消の第一歩といえます。
「収入>支出」 ⇒ 貯蓄がプラスになっていく
仮に収入が少ないとしても、収入と支出の関係が「収入>支出」となっている方は、家計収支がプラスになっており、支出の少ない要因が「浪費が少なくて、必要な消費・投資ができている」場合は、日々の生活を豊かに過ごされていることと思われます。

